由良さんが呼んでますので




「お、おね!お願い!お願いしますっ俺、友達いないんです」

「し、知りませんよ!!!離せっ」



足に纏わりつく彼の腕。私の足にぶら下がっているからか、彼は引き摺られるようにして地面を滑っていく




ずりずりずりずり


しゅううううううう




ヤバいこの人のほっぺたから摩擦熱立った!!!!!!




「ちょ、ちょっと細木くん!ほっぺたから煙が・・・・・っ」

「由良さん由良さん!お願いぃ・・・・・っ由良さんなら、俺のこんな女々しいトコロ見ても引かないでしょ?お願いっ俺、由良さんの為なら何でもするからぁ!」



めそめそと泣きながらひっついてくる細木くんに、私は何も言えなくなった



だって私にも、同じような経験があったから




『にーちゃ、おにいちゃん!みすてないでよぉ』

『近づくな』



ああやって、切り捨てられたことがあったから




< 7 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop