執事ちゃんの恋
第11話



 第11話



「ちょ、ちょっと! 健せんせ」

「……」

「せんせってば!」


 ヒヨリは必死に健の手を払いのけようとするのだが、力の差など歴然。

 敵うことなく健になされるがまま。


 それでもまだ抵抗を続けるヒヨリを見て、健の瞳の奥が怪しく光る。



「煩いですよ? ヒヨリ」

「っ!」


 あまりに威圧的な態度の健に、思わず抵抗の手を緩めてしまった。

 それがいけなかった。

 健の手は止まることはなく、ますますとエスカレートする。

 ゆっくりとヒヨリの身体のラインに沿って、指を這わせていく。


 ザワザワとなんとも言えぬ甘い快感が身体中に走っていく。

 少しずつ荒れる息。

 ときおり甘い刺激にビクリと身体が震える。



 ――― ダ、ダメだよ。コウ様を待たせているのに。



 頭ではわかっていた。

 しかし、ヒヨリは健の大きくて温かく優しい手に翻弄されていく。

 だんだん抵抗できなくなっていくヒヨリを見て、健はこっそりと笑みを浮かべた。

 ヒヨリを弄ぶ手はそのままで、健は口を開く。





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