おおかみ男の娘
椿、仮彼女デビューする
今日も僕はボケーっと呑気に窓から空を
見上げてる。
最近は椿ちゃんのおかげでイジメられる
事もかなり少なくなった。
「おーい…倉田ー?」
僕はなんであの日、
椿ちゃんと出会ったのだろうか…。
「倉田、問5解けよ~っ!!」
あの、芝桜畑にはもう2度と
たどり着けない気がするな…。
「嬉龍くんっ!!」
「うわっ…。」
突然僕の耳元で椿ちゃんの大声が響いた。
驚き過ぎて心臓が…。
「当てられてるよーっ!
早く問題解かないと先生が怒っちゃう!!」
「う…うん。」
僕の様子を見ていた
クラスの皆が僕を見て笑った。
僕は顔がカアーッと熱くなるのを感じた。
慌てて席から立ち上がり、
「えっと…sinA=3/5、cosA=4/5、tanA=3/4です。」
と答えた。すると、先生はクスッと笑って
「正解。さすが倉田。復習してるな。」
と関心ぎみ。