おおかみ男の娘

「うん…あのね、最近、私に付きまとってくる男の子が増えて困ってるの…。」



なるほど…椿ちゃんのストーカーか…。


どうすればいいんだろう…。


そんなこと思っていると

椿ちゃんは僕を抱き締めてきた。



「…嬉龍くん、私の仮の彼氏になって!!」


「えっ…?」



この状況は何だ!?


や…やばい。仮の彼氏って僕が…?



密着した体からこの胸のドキドキが

伝わってしまいそう…。



「僕なんかでいいの…?」


「うん…。」


「後悔しない…?椿ちゃんを守れるような男じゃないよ?」


「いいの…あくまでも仮だから。」


「そっか…。」



僕は椿ちゃんから離れた。


仮だもんな…。

そんなの別に誰だっていいんだよな…。


僕の心にズシンと重たい何かが乗し掛かった。



でも、仮でもいいと思った…。



彼女の彼として回りから見てもらえるなら…、

イジメられたって何て事ないと…。
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