おおかみ男の娘
「ねっ、嬉龍くんは何書いたの?」
「えっと…その…」
僕が隣で微笑む椿ちゃんに
絵を見られないように少し傾いた。
が、椿ちゃんは僕の絵を隣から
しっかりと覗き込んできて…
「…………嬉龍くん。」
と少し驚きの表情を見せた。
「あっ…えっと…ハイ。」
どうしよう…やっぱキモいか…。
こんなに椿ちゃんの事ばかりでキモいか。
そう思っていたけど彼女は微笑んで
「………素敵ね!!この絵…笑ってる…。」
と嬉しそうに言った。
「本当にそう思う?」
「うん。でもこのモデルの子、どこかで見た事があるような…?」
―――ギクッ…!!
「えっと…鏡見てきて確認してみたら?」
これ、椿ちゃんは自分だって分かって
ないんだよね!?