おおかみ男の娘

椿、喧嘩デビューする


     【嬉龍side】



今日も僕は変わらず

窓から外の景色に見とれている…。



昨日はなんて素晴らしかったことだろう。


椿ちゃんが僕にあんなことを…



「ふへへへ…。」


にやけが止まらない。



だって、僕って凄いぞ!!



桐生院さんに後をつけられ、あの学校の

アイドル的存在の椿ちゃんに抱きしめられ…


まさかのモテ期到来か!!!



そんな事を考えてボ~ッとしている

僕を見てさすがに心配した先生は



「…大丈夫かおい…?」



と僕の方をじっと見て困った顔をした。



「ふえぃ~大丈夫です~」


僕がニタニタ笑って返事をすると、先生は…



「これは重症だな…。」



と言ってあきれたように授業を続けた。


いや~モテる男ってのは辛いんですよ。



先生?僕は椿ちゃんと桐生院さんから

取り合われちゃって大変なんですよ~。



まっ、先生には分からないでしょうけど(笑)



そんなことを思っていると前の席から

桐生院さんが顔をひょこっと出してきて



「嬉龍くん…なんか勘違いしてない?」


と僕の耳元でこっそりと言ってきた。
< 24 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop