おおかみ男の娘
椿、喧嘩デビューする
【嬉龍side】
今日も僕は変わらず
窓から外の景色に見とれている…。
昨日はなんて素晴らしかったことだろう。
椿ちゃんが僕にあんなことを…
「ふへへへ…。」
にやけが止まらない。
だって、僕って凄いぞ!!
桐生院さんに後をつけられ、あの学校の
アイドル的存在の椿ちゃんに抱きしめられ…
まさかのモテ期到来か!!!
そんな事を考えてボ~ッとしている
僕を見てさすがに心配した先生は
「…大丈夫かおい…?」
と僕の方をじっと見て困った顔をした。
「ふえぃ~大丈夫です~」
僕がニタニタ笑って返事をすると、先生は…
「これは重症だな…。」
と言ってあきれたように授業を続けた。
いや~モテる男ってのは辛いんですよ。
先生?僕は椿ちゃんと桐生院さんから
取り合われちゃって大変なんですよ~。
まっ、先生には分からないでしょうけど(笑)
そんなことを思っていると前の席から
桐生院さんが顔をひょこっと出してきて
「嬉龍くん…なんか勘違いしてない?」
と僕の耳元でこっそりと言ってきた。