おおかみ男の娘

「…嬉龍くん…!?」


「えっ?えと…どうしたの?椿ちゃん?」


「『どうしたの?』じゃない!!
あの子と一体何を話してたの!?」



椿ちゃんは嫌そうに僕に聞いてきた。



「椿ちゃん、僕は別に何も…。
話たっていっても普通の話だし…。」


「………ホントに?」


「うん。ホントだよ。」


「良かった…。」



何で?なんでそんなにホッとしてるの?


僕に秘密事でもあるのだろうか…?



「あの…椿ちゃん。僕は本当の君が
知りたい。どうして僕に隠し事するの!?」



思わず僕が開いた言葉に椿ちゃんは



「えっ…?隠し事!?」



と驚いていた。


でも僕は知らなさすぎるのかもしれない。


椿ちゃんの事を…だから知りたいんだ!!



「桐生院さんが言ってたんだ。椿ちゃんがおかしいって…。僕も時々そう思う事が増えた。ねぇ、本当の事聞かせて?」


僕がそう言うと椿ちゃんは変に笑って


「いつか分かる事よ。だから大丈夫。その時は嬉龍くんもクラスの皆も何も覚えてないまま楽になれるから…。」


と言った。


何だかいつもの椿ちゃんの笑顔のとは違った。


何て言うか…怖い。


鋭い目を僕に向けてニヤリと笑う。

これが…あの椿ちゃん!?
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