おおかみ男の娘
「あれ…?この人いつのまに?」
桜の枝に絡み付いている、桃色の髪をして着物
を着た綺麗な少女がそこに座り込んでいた。
桃色の綺麗な髪の毛に猫耳のような物が
付いていて、矢が胸に刺さっている。
起きる様子は全くない。
「こんなに綺麗な人は始めて見た。」
僕は思わず、その少女に静かにキスをしたんだ。
この綺麗な桜の木の下で…。
一瞬、静かな空気が芝桜の間を流れ込んだ。
一斉に綺麗なピンクの花びらが舞い上がった。
そして、僕は優しく彼女から唇を離した。
その途端、桜の木から、大きな光が放ったんだ。
そして…次に目を開けたときに
少女の指先が動いた気がした。
もしかして、この子生きてたの!?
や…ヤバい…。逃げるか!?
いや、又僕は逃げてしまうのか!?
全く情けない…
えぇぃ!!もう、やけくそだ!!
僕は少女に手を伸ばした。
「あ…あの。」
思わず声が震える。
綺麗なピンクの髪がまたフワリと風で広がる。
「貴方…どうしてこの場所が分かったの?」
その、綺麗な声が僕の心をまるごと突き刺した。