おおかみ男の娘
「あっ!そうだ!椿ちゃん、
今度皆を誘って遊びに行こうか!」
「………えっ?」
「椿ちゃん、何がしたい?何が好き?」
僕は彼女に笑いかけた。
すると椿ちゃんは…
「……嬉龍くん、私を好き?」
と何か思い詰めた表情で僕を見た。
その紅く透き通る瞳に吸い込まれるようで
僕は瞳をそらせなかった。
「私は人間が嫌い。大っ嫌い。どうして
そんなに争うの!?自然を破壊するの!?」
「椿ちゃん…?」
「ごめん…少し放っておいて!!」
彼女の泣き出しそうな顔に思わずハッとした。
僕は彼女に嫌われているのかもしれない。
でも嫌われても仕方ない。
彼女をあんな危険な喧嘩に巻き込んで
しまったあげく、助けてもらうなんて…