おおかみ男の娘
「……嬉龍!?おいっどうしたんだよ!?」
クラスの奴らが僕を心配する。
「ごめん…何でもない。何でもないんだ。」
そう言うと皆は僕をじっと見て
「嬉龍くん…嘘だ。私達に本当の事話してくれない?」
とクラスの女の子が声をあげた。
僕はいつの間にこんなに多くの人に
頼られてこんなに多くの人に
囲まれるようになったんだろう…。
今までの僕ならあり得ない光景だ…。
「皆聞いてくれるのか…?」
「「「もちろんっ!!」」」
僕はこの言葉を聞いた時、
本当に幸せ者だと思った。
皆、僕の話を最後まで
耳をそらさずに聞いてくれた。
皆は僕の今の状況をようやく理解し
僕に笑いかけたんだ。
「大丈夫だよっ。私達も椿ちゃんと嬉龍
くんが仲良く出来るように協力する!!」
「お前一人で抱え込むな!!
俺らがいるじゃん!クラスの皆を頼れよ!!」
「嬉龍くん、話してくれてありがとう!!」
って皆、笑って僕に手を差しのべたんだ。