おおかみ男の娘
暖かかった。
僕が触れてはいけない人の暖かさ…。
本当は1人の力で立ち上がっていかなきゃ
ならなかったんだ。
それを皆が支えてくれたんだ。
「皆…ありがとう。」
涙が止まらなかったんだ。
嬉しくて泣いたのは初めてだったんだ。
僕の流す涙はいつも辛い事を
洗い流すための涙だったから。
「あたしら、皆で椿ちゃんが元気になる遊びの計画たてるから!ねっ!!」
そう言われて涙を拭いて僕は大きく頷いた。
「僕は一人じゃないんだね…。」
「あったり前だろ!!お前は俺達の仲間だ!!」
そう言われた時にはもう
僕の泣き顔は笑顔に変わっていた。