おおかみ男の娘
「大丈夫。僕、恵梨ちゃん家なら何度か
行ったことがあるから知ってるし!!」
と僕が椿ちゃんに笑いかけると
椿ちゃんも笑って
「そっか。良かった~。」
と言った。今日初めての笑顔だった。
楽しみにしてくれてるのだろうか。
あっ…!でも準備とかあるだろうなぁ…。
「椿ちゃん、ちょっと寄り道していこっか」
「えっ…ちょっ…嬉龍くん!?」
僕は椿ちゃんの手を握り、恵梨ちゃん家と
真逆に走り出した。
「近くに美味しいお菓子の
お店があるんだ。皆に買っていこ♪」
「……うんっ!!」
そうして僕と椿ちゃんは小さな
可愛らしい小屋のお店にやって来た。
その店の名前は<<DOLCE-ドルチェ->>。
イタリア語でお菓子という意味だそうだ。