おおかみ男の娘
ーーーそして、次の日。
僕はとてつもなく驚いた。
何故なら…
「今日は新入生が来てる。さぁ、中に入ってきなさい。」
と先生が廊下の扉に向かって声をかけ、
教室に入ってきたのは…
「はじめまして。桃井椿です。今日からよろしくお願いします。」
昨日あった綺麗な少女だったから…。
「可愛い~っ!!」
「よろしくね、椿ちゃん!!」
皆が椿ちゃんを歓迎する声が飛び交う中…
僕が椿ちゃんをチラッと見ると
椿ちゃんはこちらをジッと見ていた。
そしてクラスの皆もこっちに目をやった。
「えっ…何?僕?」
何で僕がこんなに注目の的な訳?
「嬉龍くん…よろしくね!」
ニコッとこちらを見て微笑む椿ちゃん。
な…意味が分からない…。
こんなズシッとした空気を
先生は気にせずに話を続けて、
「えーっと…それじゃ、桃井は倉田の隣の席が空いてるからそこに座ってくれ。」
と話を進めてくれた。
助かったと思い、少し笑みを溢したけど
それはまだ甘かった…。