おおかみ男の娘
そして皆の恐れ、怯える顔と共に最後に
見えたのは椿ちゃんの頭に立っていた
猫のような耳と何でも食らいつきそうな
鋭い牙だった。
そして僕が部屋から追い出された後、
すぐに聞こえてきたのは…
「いや―――――っ!!!!」
「食べないで――私は美味しくないわ!!」
「うわぁぁぁぁあ―――っ!!」
「助けてくれ――――っ!!」
という助けを求める悲鳴の声と
―――グチャッ…グチャッ…
というとても気味の悪い音だった。
何が起こっているんだ。
この部屋で一体何が…。
そう思っていると…
「倉田くんっ!!皆は!?」
と言って玄関から勝手に桐生院さんが
上がり込んできた。