おおかみ男の娘
「嬉龍くん…どうしてその女を!?
どうして…どうしてぇぇぇえっ!!」
その女というのはきっと
桐生院さんの事だろう。
椿ちゃんが桐生院さんを嫌う
理由がやっとわかったよ…。
「狼の女!!あんたは人間に被害を及ぼす。
だから、私の先祖、桐生院小町の意思を
ついであんたを私が封印してやる!!」
桐生院さんがしっかりと弓と矢を構えた。
初めからこの運命は止まらず
歯車を回し続けていたのだろうか…。
僕達を嘲笑うかのように…。
「桐生院さん、矢を打たないで!!」
僕は椿ちゃんの前に立ちふさがった。
「そこを退いてっ!!
その女は…皆を食ったのよ!?」
「それでも僕は………」
椿ちゃんが好きなんだ…。
ずっとずっと…好きなんだ。
「桐生院さん、打つなら僕を打って!!」