おおかみ男の娘
消えゆく意識の中うっすら
見えたのは千年桜の木と芝桜だった。
僕はその場からは動いていなかったんだ。
走っていることさえも幻覚だったんだ…。
目を開けて息をする事さえ、辛い。
眠たくなって、僕は目を閉じた。
どうやら僕は千年桜の呪いに
かかってしまったようだ……。
『私も好きよ…。』
と誰かの柔らかい声がした気がした。
僕の冷たくなっていく体を優しく
抱き締め、僕の手を暖める君は一体誰…?
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