風紀委員長の取扱い説明書
■風紀委員会
├新入生歓迎会準備
「礼節と勤勉を重んじ、常に善を貫け。校則を破った者は私達風紀委員会が速やかに処分する。───以上だ。」
入学式の日。
あの人は、そう言って僕の心を奪い去った。
鋭い瞳の中に宿る眼光も、威圧的な声音も、うっとりする程妖艶な美貌も全部、目を潰されるのではないかという程魅力的だった。
本当に、今までの恋愛が色褪せて見える。
あんな女たちは、あの人の足元にも及ばない。
≪美しい≫という形容詞が最も似合う女性、それがあの人だった。
どうしたらあの人に近づけるのだろう。
どうしたらあの人の特別になれるのだろう。
一年前の入学式。
僕は、焦がれるような恋慕をこの胸に抱いた。
< 1 / 7 >