冬が、きた。
「………きね。……雪音」
私は誰かにゆさゆさと揺さぶられて、目を覚ました。
「……ん………」
「……遅くなってごめん。ただいま」
「あ、れ、慎くん……おかえりなさい………って、えっ!?」
私はガバッと起き上がった。
ね、寝ちゃってた……!
「うわっ、ごめん!えっと、ご飯まだだよね?」
「あ、忘れてた。コンビニで何か買ってくれば良かったなあ」
「いいよ、すぐ出来るから」
台所に行って、土鍋に湯を沸かしてダシを入れ、うどんを放り込む。
茹であがったところで火を止め、溶き卵を流し込み、薄く切ったかまぼこを乗せた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。頂きます」