冬が、きた。





サークルが終わった後、私は、今日の夜は自分の部屋で寝ることに決めた。


………一旦、落ち着こう。


友達の見間違いかもしれない。


一日経てば、どうでもよくなるかも。


『体調が悪くて、今日はご飯作りに行けないと思う。移しちゃったらだめだし、夜は私の部屋で寝るね。ほんとにごめん』


………送信。


部屋に帰って、エアコンをつける。


私の部屋には、こたつが無い。


私は毛布にくるまって、ボーッと考え事をした。


………慎くんはバイクで、どこに行ったんだろう。


今日の朝も、バイクが無かった。


そこで悪い想像が頭をよぎった。


………浮気相手のところとか?


ああ、やばいやばい。
もしそうだったらどうしよう。


慎くんが知らない家のチャイムを鳴らして、私の数倍きれいな人が出迎える。


悪い想像が、いくらでも続いていく。


「ううう………慎くん……」


私は夜中まで考え事をしてしまって、なかなか寝付くことができなかった。




< 30 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop