冬が、きた。
慎くんこと野々山慎介くんは、大学の三回生で、同い年の、私の彼氏だ。
慎くんと私が付き合うことになったきっかけを説明するには、一回生のころにさかのぼらなければならない。
慎くんとは、同じ学部の同じ学科だから、顔と名前は知っていたけど、一回生の初めの頃は、全く関わりは無かった。
慎くんも私も、内気過ぎたのだ。
だから、私も慎くんも、自分から誰かに話しかけるようなことは出来なかった。
自分に声をかけてくれた人達と、緊張しながらも打ち解けていって、それ以外の人達とは、仲良くなるタイミングを失っていったのだ。