「遺言」short love story
隆義が、私の顔に視線を向けてじっと聞いている。


「生まれ変わっても、また私を探して欲しいの」


私は、隆義の瞳を真っ直ぐ見ながら続けた。


「必ずこれから先、どちらかが死んでしまって、一緒にいられなくなる時が来ちゃう。その時『また逢えるから』って思ったら、きっと淋くても耐えられる。私はまた、必死に隆義を探すから」


私の瞳から、勝手に涙がポロリと落ちる。


「できるなら、また夫婦になって隆義の子を産みたい。でもそれが無理だったとしても、どんな形でも一緒にいれればそれだけでいい」


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