「遺言」short love story
舞の顔を見るのが、怖かった。


もう息絶えたその体に触れるのが、怖かった。


舞の横までなんとか歩き、体の力が抜けてガクリとひざまずく。


舞の、閉じた瞳を見た。


舞の、唇を見た。


舞の、頬を見た。


あちこちに大小の生々しい傷が、黒くこびりつく。


< 8 / 36 >

この作品をシェア

pagetop