無口な彼氏の恋心


「い、や、です」


強気に言うと、上級生の手が上がった。

目をつぶる暇もなく頬を叩かれる。


「そう言ったこと後悔させてあげる」


そう言い捨てて上級生は立ち去った。



――――けっこう痛かった…



叩かれた左頬をさする。

少しヒリヒリするから爪で傷がついたのかも。


あたしは痛みとか不安とか嫌な感情を捨てるように首を横に振った。



しっかりしなきゃ…。




< 9 / 50 >

この作品をシェア

pagetop