恋……スル?-小沢 圭治編-
「ったく、何なんだあの犬みたいなヤツは…!」



カフェを出て二人でアトリエに向かって歩きながらも、専務はまだまだお怒りの様子。


はぁ……チワワとドーベルマンの対決を見てるようだったわ。

癒されに行ったはずがとんでもない一日の始まりになってしまった。



「専務こそ…。クリスマスのこと、何であんな誤解を招くような言い方するんですか」


「あいつに誤解されるのが嫌なのか?」


「そういうわけじゃないですけど…」



不服そうに口を尖らせていると、突然前を歩いていた専務が足を止めて、私はその広い背中にぶつかりそうになってしまった。


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