恋……スル?-小沢 圭治編-
専務が営業用の笑顔で軽く一礼をすると、大沢さんは私に視線を移してこう言った。



「君も僕の良さをもう一度確かめたいのなら、チャンスをあげてやってもいい。
その気になったらまた連絡してくれたまえ」


「~~~っ……」



……言葉にならないっ!!


引きつり笑いのままの私を余所に、大沢さんは麗しい微笑みを見せて軽やかに去っていった。


一体何しに来たんですか…。




──結局。


夜光さんとは通常のお店の取材をすることで合意したのだけれど、その日一日の専務の機嫌はあまりよろしくなかった。


そして、今日は珍しく定時に帰れるとホッとした、就業時間の終了間際……


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