恋……スル?-小沢 圭治編-
Chapter5‐気付くキモチ‐
私、何でこんなにワクワクしてるんだろう──。
二人でアトリエを出てから、今日は私と歩幅を合わせて隣を歩いてくれる専務をチラリと見上げる。
もしかして私、専務のこと──…
綺麗な横顔に見惚れながらぼんやり思いを馳せていると、私の視線に気付いた専務とぱちっと目が合った。
「着いたぞ」
「えっ、もう!?」
もう少し歩くのかと思った私は拍子抜けしてしまったけれど、お店を見てまたビックリ。
「ここ…ラーメン屋さん…?」
外観は黒を基調としたシックな造りで、ぱっと見はお洒落な小料理屋のよう。
でも窓から店内を覗き見ると、ラーメンをすするお客さんの姿が垣間見える。