恋……スル?-小沢 圭治編-
その薄茶色の大きな瞳が印象的なイケメンには見覚えがあった。


どこで会ったんだっけ…?


言葉も発さずに必死に記憶を手繰り寄せていると、その男の子はムッとした顔をして言った。



「俺のこと覚えてないの?
一緒にマック行った仲じゃん」


「ぁあっ!!」



──マック!!


そうだ、思い出した!

桜子とスケートをしに行った後で、夜道を一緒に歩いてくれたバンドマンのコだ!!


そのお礼にマックで奢ってあげたんだった…。



「やっぱ忘れてたな?全然連絡もしてこねぇし」


「あー……ゴメン」



私は苦笑いしながら小さく手を合わせて謝った。


そういえばケータイの番号とか(勝手に)教えられたんだっけ…

あの紙どこにやっただろう?


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