恋……スル?-小沢 圭治編-
Chapter6‐本気の恋、教えてください‐
結局また機嫌を悪くしてしまったようで、せっかく二人で来た初めての食事だったのに、たいした会話もなく時間は過ぎていってしまった。
自分の恋心に気付いた直後だっていうのに、何やってんだ私は…。
ラーメンは本当にすごく美味しかったしお腹は満たされたけれど、私は人知れず落ち込んでいた。
お店を出てからもお互い口数は少なく、専務の車が停めてあるアトリエにはあっという間に着いてしまった。
よかったのかどうなのか…。
「専務、今日はありがとうございました。お疲れ様で──」
「乗れ」
……え?“乗れ”??
中途半端にお辞儀したまま顔だけを上げると、専務はぶすっとした顔のまま言った。