恋……スル？-小沢 圭治編-

案の定、専務に「あぁ」と一言返されて終了。

自分のボキャブラリーの無さに呆れるわ…。


ガックリ肩を落としながらも、私はあることを思い出した。



「あっ、すみません！ラーメンのお金…！」



さっき私が支度してる間に専務が会計を済ませてくれていたんだった。


バッグの中を漁って財布を取り出す私に、専務は手でシッシッと追い払うような仕草をする。



「そんなの気にしなくていい。さっさと仕舞え」


「すみません…ありがとうございました」



専務らしい拒否の仕方にクスッと笑いを零しつつ、お礼を言って財布を仕舞おうとした時──


忘れかけていた懐かしいモノが、私の目に映った。