恋……スル?-小沢 圭治編-
「…でも、こんな私もやっと見付けたんです」



そう、恋が“出来なかった”。

もう過去形なんだ。


だって今は、こんなに熱くなってしまうくらい、隣にいるこの人のことが好きなんだから。



顔を上げて、彼をしっかりと見つめる。




「私に本気の恋を教えてくれたのは……専務です」




驚いたように少し目を開く専務。


そう、あなたなんだよ。




「だから──これからも私に恋愛を教えてください」




< 62 / 120 >

この作品をシェア

pagetop