恋……スル?-小沢 圭治編-
──もう、これが答えなんだと思った。


ギュッと唇を噛み締めた私は、映画の半券をまたバッグの中に押し込めてドアに手を掛ける。



「…送ってくれて、ありがとうございました」


「……あぁ」



専務は窓の外に顔を向けたまま私を見ようともしない。

もう何も言えなくなった私は、車を降りて逃げるようにマンションの中へと走った。



自分の部屋に入ると脱力感と虚無感がじわじわと襲ってきて

目から熱いモノが溢れ出した。



「ふっ…うぅ……」



久々に恋をしたっていうのに、こんなのってない。


やっぱり10歳以上も離れた専務に恋い焦がれるなんて無謀なのかな……。








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