恋……スル?-小沢 圭治編-
Chapter7‐ホーリーナイト‐
「いいなぁ…カップル…」
街を歩く恋人達をショップの中から眺めながら、私はため息をついていた。
専務と食事に行ってから一週間、もうずっとこんな感じだ。
専務はというと…
何事もなかったように接してはくるものの、笑いかけもしなければ怒りもしない、なんだかよそよそしい感じだ。
こんなことならあんなこと言わなければよかった…
って後悔してももう遅いけど。
そんないつにも増して浮かないクリスマスの日に。
「こんにちは」
私の気持ちとは打って変わって明るい澄んだ声が響く。
この声の主も、もうすっかりこの店の顔なじみになっている。