恋……スル?-小沢 圭治編-
「大野様、お待ちしておりました」



毎度のことながら美しい笑顔を向ける彼女に見惚れつつ、私もいつものように専務を呼びに行く。


社員の中では、もう大野さんは専務の恋人だということに決定してしまっているらしい。


だけど私は納得していなかった。

だってこの間の専務の言葉……



『恋の仕方なんて忘れた』

『女は苦手』

『これからも一人で構わない』


そのことから考えれば、専務に恋人がいるとは思えないから。



でも、じゃあどんな存在なのか…

結局行き着くのはそこで、堂々巡りを繰り返してしまう。


それに『女が苦手』って何でだろう?

大野さんと接してる時はそんなことは全く感じさせないのに。


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