恋……スル?-小沢 圭治編-
少し黒ずんだアナログのデザイン画の上で、ギュッと握りしめた手に一粒の雫がぽたりと落ちた。
…泣いちゃダメだ。
下書きとは言え大事なお客様のデザイン画が汚れてしまう。
一応してるメイクだって崩れちゃうし…
何が『恋の仕方なんて忘れた』よ…
何が『これからも一人で構わない』よ!
「嘘ばっかり……」
唇を噛み締め、必死に涙を堪えて仕事に集中しようとすると、ぼやける視界に専務が作ったCGのデザイン画が映った。
いつか見本で作ってくれたもの…
シンプルな指輪の内側には
“Baka Umezu”と書かれている。
このふざけたデザイン画を見るたびに、元気がない時も笑えたんだよね…。
──あぁ、やっぱり…
私は専務が好きだ。
…泣いちゃダメだ。
下書きとは言え大事なお客様のデザイン画が汚れてしまう。
一応してるメイクだって崩れちゃうし…
何が『恋の仕方なんて忘れた』よ…
何が『これからも一人で構わない』よ!
「嘘ばっかり……」
唇を噛み締め、必死に涙を堪えて仕事に集中しようとすると、ぼやける視界に専務が作ったCGのデザイン画が映った。
いつか見本で作ってくれたもの…
シンプルな指輪の内側には
“Baka Umezu”と書かれている。
このふざけたデザイン画を見るたびに、元気がない時も笑えたんだよね…。
──あぁ、やっぱり…
私は専務が好きだ。