恋……スル?-小沢 圭治編-
──ガチャッ


私が呟いたと同時に、アトリエのドアが開いて専務が入ってきた。






「あっ…専務、お疲れ様です…」



屈んでいた背筋をピンと伸ばして軽くお辞儀をすると、専務は一瞬立ち止まって怪訝そうな表情で私を見る。

そして、手に持っていた何かと脱いだコートをテーブルに置いた。



「…人のパソコンを勝手に見るな」


「す、すみません…」



専務は特に怒っている様子でもなく、変な緊張感が静かなアトリエに充満する。


あーもう…こんな雰囲気にはいつまでも堪えられそうにない。



「……専務」


「何だ」


「この梅の花のデザイン画は誰のものですか…?」


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