恋……スル?-小沢 圭治編-
本当に何気なく聞いてみただけだった。

それなのに──…



「あぁ、これは…俺と大野がデザインした指輪だ」


「──っ…!」



神様ってなんて意地悪なの……

この期に及んで私を更に突き落とすことないじゃない。


なんだか、感情の糸が切れてしまった気がした。



「…専務の嘘つき…」



ポロリと零れる本音に、専務は眉をひそめて私を見やる。



「大野さんっていう素敵な彼女がいるのに、私にあんなデタラメ言っちゃって…。
あの時、正直に断ってくれたらよかったのに。そうしたら、まだ潔く諦めがついてたかもしれないのに…」


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