恋……スル?-小沢 圭治編-
専務はどこか照れているように見えて、私の男付き合いに苦言をさしているにも関わらず、なんだかキュンとしてしまう。



「お前があの時自分の気持ちを言ってくれたことは嬉しかったのに…
こう無駄に年くうと、素直になれなくて捻くれたことばっかり言っちまうんだ」



専務の大きな手が、私の髪をそっと掻き上げて頬を包み込む。

留まることを知らない胸の鼓動は痛いくらいだ。



私に触れる手も、私を見つめる瞳も、専務の全部が優しくて

初めて近くに感じた愛しい温もりに、止まっていた涙がまた溢れてきた。


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