恋……スル?-小沢 圭治編-
「ひたむきで一生懸命働いてる梅津は魅力的だよ。そんなお前に惹かれて男が寄ってくるのかもしれないが…

もう俺からは離してやらねぇからな」



──専務……


目にいっぱい涙を溜めて、私はこくこくと頷く。



「…離さないで、ください」



私の言葉にふっと柔らかな笑みを浮かべた専務は、指の腹で私の涙を優しく拭って。

その美麗な顔をゆっくりと近付ける。



尋常じゃないほど高鳴る胸に、強張る身体。


そして溢れそうなほどの愛しい想いを感じながら、私はギュッと目を閉じた──。




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