恋……スル?-小沢 圭治編-

Chapter8‐いつかのキミ‐


唇が重なる、まさにその瞬間。



「すみませーん!」


「──っ!!??」



突然お店の方から声が聞こえてビクンと身体が跳ねる。

目を見開くと、専務が物凄く怖いカオをしてお店へ繋がる扉を睨んでいた。



──すっっかり忘れてた!!


閉店時間3分前とは言え、まだ営業中だった…!


一体誰よ、こんな時間に来るヤツはぁーっ!!??



現実に引き戻されて専務からパッと離れると、急激に恥ずかしさが襲ってくる。


涙を拭って、ゆでダコなんてもんじゃないだろう火照る顔を手で覆いつつ、

不機嫌極まりない専務に「わ、私…行ってきます…」と、おずおずと告げてドアに近付く。


< 83 / 120 >

この作品をシェア

pagetop