恋……スル?-小沢 圭治編-
「…感動の再会は終わったか?」
聡を見送ると、お店のドアに寄り掛かって腕組みしている専務が仏頂面のままで言った。
「せ、専務…聞いてました?」
「当たり前だろ!聞かれたくなきゃこんなとこで話すな、バカアホマヌケ!」
「誰も聞かれたくないとは言ってないじゃないですかっ!」
あぁ、また始まってしまった…
せっかくさっきまでいい雰囲気だったのに!
「あいつが元カレか。映画見に行ったのもそうなんだろ?」
「…ハイ…仰せの通りで…」
「その映画の半券貸せ」
「え?」
キョトンとして首をかしげると、専務が冷た~い怖~い目で私を見据える。
…とりあえず出さないと息の根を止められそうだ。