恋……スル?-小沢 圭治編-
お店の入口を閉めて電気を消してからアトリエに戻り、バッグの中を漁る。

あの時のままになっていた半券は、バッグの奥底で汚れた姿で眠っていた。



「あの、コレ、ですけど…」



恐る恐る差し出すと、それを奪い取った専務は…



「──あ!」



なんと。ぐちゃぐちゃに丸めてポイッとゴミ箱に投げ捨てたのだった。


目が点になる私に、専務は冷ややかな視線を向けつつ挑発的な笑みを浮かべる。



「思い出の大事なモノを捨てられて寂しいか?
正直に答えてみろ」



専務の問い掛けに私は……



*「…全然寂しくなんてありませんっ!」
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*「一年も持ってたんだから、そりゃちょっとは…」
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