恋……スル?-小沢 圭治編-
「わかってるよ。お前の気持ちは十分伝わったから」



専務は私の頭を軽くポンッと撫でるとおもむろに私から離れる。

そして、デスクに置いたコートに隠されていた白い箱らしきモノを手に取った。



「そんなお前にプレゼントだ」


「えっ!?」



プ、プレゼント!!??


慌てて近寄り箱を見やると、見覚えのあるシールが貼られていた。



「わぁ!コマツ堂のケーキ!?」



コマツ堂は美味しいと巷で評判のお菓子屋さんだ。

中を覗くと綺麗にデコレーションされたショートケーキとガトーショコラが一つずつ入っている。


顔を輝かせて専務を見上げると、少し気恥ずかしそうにはにかんでいた。


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