だから君に恋をしたんだ。
リビングに着くとお母さんが座っていた。
お父さんは婿入りしたし、なんせ力が無いので仕事の話には入ってこない。
「お母さん、連絡ってなに?」
「率直に言うわ。わたしたち麻木家の担当地域が変わったの。」
な、なんだと!
地域が変わることってあるの!?
「それって、俺らがこの町の悪霊を対象出来ないと思ってか!」
「私たち頑張ってるのに!」
考えられない!
「祐介も千草も落ち着いて。違うのよ。私たちは優秀って言われたじゃない。」
まぁ確かに、優秀な死神に贈られる"サルエスト"は貰ったけど…。
「だけど何でだよ、担当地域変更って。ここはたいへんじゃないのかよ」
「ここも大変だけど、私たちがこれから行く灘町も強い悪霊ばっかで大変らしいの」
灘町…最近、急激に悪霊が増えたとされる場所。
前は、ニ井村もそうだったな。
そっちは大丈夫なの?
「ふぅん。そういう事か。んで、いつ行くの?」
「祐介は良いの?」
「管理局からとなると、逆らえないだろ?」
うぅ…。
私は頷くしかなかった。