残り5センチ
「ねぇ、柑奈ちゃんと変なことしてないよね?」
「はぁ?
変なことってなんだよ?
柑奈はただの幼なじみなんだから、変なことなんかするわけないだろ?」
「ふ〜ん、ただの幼なじみね。
だったら大丈夫だね」
私をチラッと見て微笑んだ。
けど、有紗なんかより、拓海の言葉に心臓が痛んだ。
…ただの幼なじみ…。
そっか。
拓海は私のこと、ただの幼なじみとしか見てなかったんだ…。
心配するのも、目が離せないのも、全部幼なじみだから…。
私1人うぬぼれてバカみたい…。
「あ、そういえば柑奈。
さっき何て言おうとしたんだ?」
振り返って拓海が聞く。
「何でもない…」
「何だよ。
気になるだろ?
言えよ」
「…拓海のこと、一番の幼なじみだと思ってるって言いたかっただけ…」
「…そっか。
ありがとな。
俺も柑奈のこと、一番の幼なじみだと思ってる」
顔を伏せて言った私に、拓海は嬉しそうな顔をしていた。
そんな嬉しそうな顔しないでよ…。
本当は拓海のこと…幼なじみとは思ってないんだから…。
異性として、好きなんだから…。