残り5センチ
「柑奈は頭悪いよなー」
「そ、そんなことないもん!
私だってやればできる子だよ!」
「へー、じゃあこの問題解いてみ?」
「いいよ!」
絶対拓海をびっくりさせてやる!
半ば意地だった。
…数分後。
「はい、どう?」
「…へー。
確かに、やればできるじゃん」
「でしょ?」
どうよ。
勝った。
満足気にしてしていると、ポンッと頭に手を置かれた。
「よく頑張ったな!」
笑顔で言う拓海はそのまま私の頭を撫でた。
「……!?」
いきなりのことでびっくりして声が出ない。
胸が張り裂けそうなほどバクバク鳴ってる。
昔だったらこんなの普通で、なんともなかったのに…。
恐るべし恋心。