キラリ
ケーキとお茶を乗せたトレーを持って部屋に入ろうとすると、ドアの向こうから2人の話し声が細く聞こえてきた。


「1月4日の昼頃、どう?
千明ちゃんの家まで迎えに行こっか?」


「その日でいい。
また学校で待ち合わせしよう。

校門のとこだと誰かに見られるといけないから、校舎の裏」



これで、はっきりした。



千明の態度は素っ気ないけど

翔太はどういうわけか、明らかに、千明に関心を抱いている。



私はトレーを持ったまま器用にドアを開け、そしらぬ顔で2人の間に割って入った。


「お待たせ。ケーキありがとうね」


翔太の一瞬焦ったような表情を、私は見逃さなかった。


千明は平然とした様子でいる。
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