キラリ
「千明、何かいい事でもあったの?」


自転車を漕ぎながら、それとなく尋ねてみた。



「何で?」


「いや、何となく」


「ピアノのコンクールで優勝はしたけど」


あぁ、そういえばそんな話、してたっけ。



「それで、プロを目指す人とか音大受験生が通うようなピアノ教室、紹介されたの。

もっとレベルの高いレッスン受けるべきだって」



そう語る千明の目は、やはりきらきらと輝いて見えた。


こんなに自信と希望に溢れた千明を見るのは初めてかもしれない。
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