キラリ
世話になった担任教師への挨拶もそこそこに、私は校舎を出た。




これから冬休みに入る学校、帰宅する大勢の生徒。


みんな、解放感に満ちた顔をしている。


その中を私は、誰とも目を合わせないよう、ひっそりと家路につく。




乾いた冷たい風に向かって自転車を走らせるうちに、混乱した頭の中が片付き、気分も落ち着いてきた。



冷静さを取り戻した私は、予想外にも程があるさっきの光景を反芻した。
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