半透明な心


「すっ すいっ いませんでした……」



彼はニコッともしない。
ただ、空を見ていた。


「気にしなくていいよ。
俺も今日はサボりたかったし」



カランーー…


ラムネに入っていたビー玉の音がする。


なんなんだろう。
無力な私なのに、


なんか無力な私じゃないような、、



いや、私だけじゃないような


そんな気分におそわれた。
怖くて うずくまりたかったあの時とは違う。


安心感がここにはある。



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