刹那恋愛
猛「雪菜…どうしたら俺のになってくれる?…次はソイツが死ねばいい?」
力なくそう言った猛は
泣いていたんだ
雪「猛……あのね、私は誰のものにもならないよ。もし、無理矢理でも猛が私を自分のものにしても私の心はずっと直也のものなの」
言葉では拒んだ
だけど
猛が壊れてしまいそうで
消えてしまいそうで
それくらい儚く思えて
言葉とは裏腹に、体は猛を抱き締めていた
一言、
ごめんなさい
そう言えば許されるような気がして、呟かずにはいられなかった
瞬間、猛は声をあげて泣き出した
そんな猛を
私はだだ黙って抱き締めてあげることしか出来なかった
ありがとう
その意味を込めて
雪「私を好きになってくれて、ありがとう。」
取り敢えず、これで一件落着だ
猛は駆け付けた警官に、暴行罪で連れて行かれた
だけど去り際
'いつか、昔みたいに笑い合えたらいいな'
寂しそうにそう呟いた
私は
またね
そう言って送り出した
また、笑い合おうね
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